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乾徳山の鎖場に初心者が挑戦|名物・鳳岩20mと大平高原ルートを登山モデルがレポート
2025.06.06
「岩場の練習がしたい」——そう思って向かったのが、山梨県の乾徳山(けんとくさん/2031m)でした。山頂直下には高さ20mの鎖場がそびえ、岩登りデビューにぴったりの山として知られています。先日受けた岩登りの講習を実際の岩場で復習したくて、トレーニングを兼ねてのチャレンジです。
正直に言うと、ボルダリングはやったことがあっても、マットのない「本物の岩場」は別物。高いところが怖くて、「これは練習しないとダメだ」と痛感していました。今回は、初心者の私が乾徳山の鎖場とどう向き合ったか、そして大平高原ルートの駐車場・アクセスやコースタイム、岩場で頼りになる装備まで、リアルにレポートします。
乾徳山とは——奥秩父の前衛峰が「鎖場デビュー」に向く理由
乾徳山は、山梨県山梨市の北部にある標高2031mの山。奥秩父の山並みの前衛に位置し、岩稜と大展望が魅力です。山頂直下には高さ20mの鎖場や名物の岩場が連続し、スリル満点。だからこそ「岩登りの練習にぴったりの山」として人気があります。
晴れていれば、途中の扇平からは富士山、山頂からは南アルプスや奥秩父の山々まで見渡せるそう。古くから修行の山として知られ、今もどこか凛とした空気が流れています。
ちなみに乾徳山には主に2つの登山口があります。今回私が登ったのは、距離が短めの大平高原ルート(約7kmの周回)。もう一方はふもとから登る約10kmのロングコースで、登りもハードなので、体力に自信のある方はそちらもおすすめです。「アクセスはやや大変だけれど、その分、歩く距離は短く、岩場をメインに楽しみたい人に向いている」——それが大平高原ルートの立ち位置です。
大平高原ルートの駐車場とアクセス——運転は慎重に
登山口へは国道140号から山道を上がっていきます。全線舗装されてはいるものの、道幅が狭くカーブも多いので、運転にはちょっと注意が必要。すれ違いに気をつけて、ゆっくり向かってください。
駐車場は大平高原(牧場跡地)にあり、25台ほど駐車可能。料金は800円で、管理人さんがいれば前払い、無人のときはポストに投函する方式でした。トイレも利用できますが、施設は簡易的なので、不安な方は道中で済ませておくと安心です。
そしてもう一つ、初心者として声を大にして伝えたいのが道迷いの注意。序盤は林道と登山道が交錯していて、私は何の迷いもなく林道のほうへ進んでしまい、これで「もう2〜3回目」というくらい間違えそうになりました。こまめに地図アプリを確認して、分岐は必ず立ち止まって確認するのがおすすめです。
髭剃岩・はしご・雷岩——山頂までは岩場の連続
扇平を過ぎ、雪が解けて山肌がのぞく春から夏への移ろいを感じながら高度を上げていくと、いよいよ岩場ゾーンに突入します。乾徳山のすごいところは、山頂までの道のりが岩場のアトラクションのように続くこと。
最初に出てきたのが髭剃岩(ひげそりいわ)。ザックを下ろして、岩の細い隙間に体を入れて通り抜ける場所です。「閉まってきたらどうしよう」とちょっと怖くなりつつ、横向きにならないとお尻が挟まってしまう狭さ。「薄い生地の服だったら絶対切れてたな」と思ったほどで、丈夫なパンツに助けられました。
その先には下りのはしご。下りは思った以上に「うっ」となる怖さで、世の中の登山者ってすごいなと改めて尊敬しました。さらに雷岩、そして体をくぐらせて「汚れのない自分に戻る」という胎内くぐりのような岩も。今回はくぐれそうになかったので眺めるだけでしたが、修行の山らしい名残を感じる道のりでした。
岩場では、講習で教わったことを思い出しながら一歩ずつ。足は岩に対して直角に置く/手足の3点で体を支える「3点支持」/トラバース(横移動)のときは踵を進みたい方向へ向ける——基本を意識するだけで、ぐっと安定します。みんなが触る箇所はテカテカに磨かれて滑りやすいので、足を置く位置選びも大切でした。
名物「鳳岩」20mの鎖場に挑戦——怖さとの向き合い方
そして本日のクライマックス、名物の鳳岩(ほうがん)。山頂直下にそそり立つ、20mの鎖場です。見上げた瞬間、「いやあ、これは怖いな」と正直ビビりました。
ポイントは、鎖に体重をかけていい場所では思い切って頼ること。最初は怖くて慎重になりますが、鎖を信頼できると意外と登りやすくなります。一方で、岩が濡れて滑りそうなところは無理をしない。ハーネスをつけていないぶん「落ちたら終わり」という緊張感があり、足の置き場をひとつずつ確かめながら登りました。
ありがたいことに、乾徳山の鎖場には迂回ルートも用意されています。「本当に無理だ」と感じたら、無理をせず巻き道を選べる。この逃げ道があるからこそ、初心者でも安心してチャレンジできるんだと思います。高度感は本当にすごくて、怖いけれど登り切ったときの達成感は格別。気づけば「楽しくなってきた」と笑っている自分がいました。
山頂(2031m)からの眺めと、山ごはんのひととき
鳳岩を登り切れば、乾徳山の山頂(2031m)はすぐそこ。この日はガスが流れて真っ白になる時間帯もありましたが、それでも高度感は十分。晴れた日にまた来たいと思える、開放感のある頂上でした。
山頂でのお楽しみは、やっぱり山ごはん。今回は温かい味噌ラーメンと、前夜に握ってきたおむすびです。実は以前、視聴者の皆さんに「山のごはんは何にしますか?」とアンケートを取ったところ、「おにぎりは自分で握って持っていく」という声が多く、私も真似してみました。当日の朝はどうしても起きられないので前日の夜に握って冷蔵庫へ——ただ、少し水分が飛んでパサつき気味に。保存のコツがあればぜひ教えてほしいところです。こうして山の上でゆっくりごはんを食べる時間が、登山のいちばんのご褒美かもしれません。
下山の周回コース——ガレ場・ザレ場の「下り」こそ慎重に
お昼を食べたら、周回コースで下山開始。ここで待っていたのが、急なガレ場・ザレ場の下りでした。岩場の登り以上に気を使うのが、実はこの「下り」。足がブルブルしてくるほど神経を使いますが、滑りやすい斜面はためらわずお尻をつくように下りると安全でした。
途中、高原ヒュッテ(避難小屋)でトイレを借りて小休止。とても清潔で、ここまで来た疲れがふっと和らぎました。タンポポの綿毛がふわふわと舞う草原は妖精が出てきそうなほど綺麗で、岩場の緊張から解放される癒やしの区間。「大平からのルートは短め」と思っていましたが、実際は登りも下りもしっかり歩き応えがあり、最後はいい意味でクタクタになって駐車場へ戻りました。
岩場で痛感した、装備選びの大切さ
今回いちばん実感したのが、靴選びの大切さ。岩登りの講習で「まず用途に合った靴を買おうね」と言われ、新しく登山靴を新調していきました。底が硬いおかげで岩にグッと乗れて、滑らず、足首も安定する。「ちゃんと岩に立てている」という安心感が、前の靴とはまるで違いました。山や行き先によって靴を使い分ける必要があるんだなと、改めて痛感しています。
そして、初夏の岩場では「暑さ・日差し・まぶしさ」対策も欠かせません。登り始めて20分でもう暑くなって一枚脱いだほどで、こうした汗・日差しの多い山で私が頼りにしているのが次の3点です。
- ファイントラック ドライレイヤー:肌に直接着るベースレイヤー。汗を肌から引き離してサラサラに保ち、汗冷えやベタつきを防いでくれる「土台」の一枚。
- カリマー スダレハット:UVカットしながら通気性も高く、首まわりまで日差しから守ってくれる夏山の定番。
- goodr(グダー)偏光サングラス:照り返しのまぶしさをカットして視界がクリアに。足元の岩を見極めたい鎖場でも安心です。
岩場では一歩のミスが大きいからこそ、「滑らない・蒸れない・見やすい」を支える装備が、安心感に直結すると感じました。
まとめ:初心者の鎖場デビューに乾徳山をすすめる理由
乾徳山は、迂回ルートという逃げ道がありながら、髭剃岩・はしご・名物の鳳岩20mと、岩場の魅力がぎゅっと詰まった一座。ハーネスなしで登る緊張感と高度感は、本当にいい練習になりました。岩登りの講習で習った「足は直角・3点支持・トラバースは踵から」を実地で復習でき、自分の成長も実感できた一日です。
初めての本格的な鎖場は確かに怖い。でも、基本を守って、無理なときは迂回し、靴をはじめとする装備をきちんと整えれば、初心者でも一歩ずつ前に進めます。大平高原ルートは距離が短く岩場をメインに味わえるので、「鎖場デビューしてみたい」という方の最初の一座にぴったり。アクセスの道は狭めなので運転だけ慎重に、道迷いにも気をつけて、ぜひ岩場のスリルと山頂の達成感を味わってみてください。
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