岩崎良美

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今年登って印象に残った山ベスト5|鋸山・武甲山・赤岳・蛭ヶ岳・富士山を登山モデルが振り返り

2025.12.26

今年もいろいろな山に登りました。思い描いた通りに登れた山もあれば、天候に阻まれて引き返した山もあります。ただ一年を振り返ってみると、絶景に出会えたかどうか以上に、その山と「どう向き合ったか」が心に残っているのだと感じます。

この記事では、私が今年登った中でも特に印象深かった山を、ベスト5形式で振り返ります。ランクインしたのは、標高329mの低山・鋸山(千葉)から、日本最高峰の富士山(3776m)まで。「初心者におすすめ」を並べたリストではなく、私自身が何かを教わった山たちの記録です。

各座について、山の性格と見どころ、私が実際に登って感じた難易度、アクセスの目安、そして登って心に残ったことを正直にお伝えします。山頂がまっ白なガスに包まれて何も見えなかった山も含めて、飾らない一年の記録としてお楽しみいただけたらうれしいです。

今年の5座を、ざっくり比較

まずは全体像から。ランクインした5座を、標高・エリア、そして私が実際に登って感じた「体感難易度」でざっと並べてみます。数字だけでは伝わらない手応えを、あくまで私個人の感覚としてメモしました。

体感難易度は、必ずしも標高やランキングの順番とは一致しません。低い山でも気を抜けない場面はあるし、逆に高い山でも準備次第で落ち着いて向き合えることを、今年は何度も実感しました。ここからは、順位の低い方から一つずつ振り返っていきます。

第5位:鋸山(千葉県・標高約329m)——低山でも油断できない「石の山」

第5位は、千葉県にある鋸山です。標高は329m。数字だけを見ると、登山というより気軽に立ち寄れる場所という印象を持つ方も多いかもしれません。

実は私も、以前は観光でこの山を訪れたことがありました。日本寺の境内を歩き、大仏を見て、庭園のように整えられた場所を巡る。そのときは「景色の良い観光地」という印象が強く残っていました。ところが今回、あらためて登山として歩いてみると、まるで別の山のように感じられたのです。

見どころ

鋸山の名物といえば、切り立った岩壁と、人の手で石を切り出した「石切り場跡」です。なかでも巨大な岩の壁は、通称「ラピュタの壁」と呼ばれ、自然の中にありながら巨大な建造物のような迫力があります。岩肌に刻まれた採石の跡を見ていると、ここで長い年月をかけて人と山が向き合ってきたことが伝わってきました。日本寺や大仏、庭園のように整えられた空間もあり、登山と観光の境界が曖昧になる不思議な山です。

登ってみた感想・難易度

登山道に入ると、足元は岩が多く、想像していた以上に集中力が求められました。一段一段は低くても、気を抜けば足を取られそうになる場所があり、「低山だから簡単」とはとても言えない感覚があります。標高は低くても、見上げる岩壁や切り立った場所に立つと、思っていた以上に高度感がありました。賑やかな観光エリアを少し離れると、急に静けさが戻ってくる。その切り替わりも、この山ならではの魅力だと思います。「知っているつもりだった山が、実は全く違う顔を持っていた」——そんな気づきをくれた一座でした。

アクセス

鋸山は千葉県の内房エリアにあり、JR内房線の浜金谷駅が登山の起点として便利です。ロープウェーも整備されているので、体力や時間に合わせて観光と組み合わせやすいのも魅力。低山ですが岩場が続くので、しっかりした靴で臨むことをおすすめします。

第4位:武甲山(埼玉県・秩父/標高1304m)——削られ続ける「信仰の山」

第4位は、埼玉の秩父にある武甲山です。標高は1304m。秩父の町からもよく見える、とても特徴的な山です。「武甲山」と聞くと、削られた山肌の姿を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実際に登ってみると、それだけでは語れない山だと感じました。

山の性格と見どころ

登山道を歩いていると、どこか独特の緊張感があります。道が危険なわけでも、景色が厳しいわけでもないのに、空気が少し張り詰めていて、自然と背筋が伸びるような感覚。武甲山は古くから山そのものに神が宿るとされ、信仰の対象となってきた山です。その背景を知ってから、この山で感じた静けさや緊張感が少し腑に落ちました。私自身、なぜか昔から信仰や祈りと結びついた山に惹かれるところがあります。

一方で武甲山は、文明の発達と深く関わってきた山でもあります。石灰岩は今もなお採掘が続けられ、私たちの暮らしを支える大切な資源として使われています。山は削られ、その姿はかつてと大きく変わりました。それでも、ここでしか見られない貴重な植物が残されているのも事実です。文明の発達と自然を守ること——相反するようでいて、どちらも人が生きていくために欠かせないもの。その現実がこの山にははっきりと存在していて、静かに考えさせられました。

登ってみた感想・水運び

この日は、麓の滝で水を汲み、それを山頂のお手洗いまで運ぶことにしました。水を背負うぶん体への負担は増えますが、不思議と嫌な重さではありませんでした。自分のためだけではなく、ここを訪れる誰かの役に立つかもしれない。その行為に、静かな喜びを感じたのです。山から何かを得るだけでなく、少しだけ返していく。そんな時間を過ごせたことも、武甲山ならではの経験でした。

アクセス

武甲山へは、西武秩父線の横瀬駅方面がアクセスの起点になります。秩父の市街地からも近く、山のシンボルとして親しまれている一座です。歴史や人との関わりを思いながら歩くと、より深く楽しめる山だと思います。

第3位:赤岳(八ヶ岳・標高2899m)——準備して挑んだ、初めての本格岩場

第3位は、八ヶ岳連峰の主峰・赤岳です。標高は2899m。今年の登山の中でも、とても記憶に残る一座になりました。

挑む前の準備

赤岳に挑む前、下調べをしていく中で必ず目にしたのが「岩場がある山」という情報でした。私にとって本格的な岩場は、まだ少し距離のある存在。だから今回はただ登るのではなく、しっかり準備をして向き合おうと決めました。初めてヘルメットを購入し、岩場の講習も受けました。手足の置き方、体の使い方、危険を避けるための考え方——それまで感覚でやっていたことをきちんと理解する時間は、登る前からこの山と向き合っているような感覚がありました。

登ってみた感想・難易度

当日は、まず樹林帯の中を静かに歩く時間から始まりました。しばらくすると雨が降り始め、足元は次第に湿っていきます。「今日はこういう一日なんだな」と覚悟を決めながら進みました。樹林帯を抜けて高度を上げていくと、いよいよ岩場が現れます。雨に濡れた岩はいつもより慎重さを求められ、一歩一歩の判断がはっきりと重くなりました。そんなとき、ヘルメットをかぶっている安心感や、事前に学んだ動きが確かに自分を支えてくれていると感じたのです。決して余裕があったわけではありません。でも、準備をしていたからこそ落ち着いて向き合えた。そう思える場面が何度もありました。

山頂に近づくにつれ、空はどんどん白くなり、景色は完全にガスに包まれました。期待していた大展望は何も見えません。それでも山頂に立ったとき、不思議と気持ちは温かく、「来てよかった」と素直に思えました。ご褒美の景色を与えてくれたわけではないけれど、登るまでの過程すべてを含めて、強い達成感を残してくれた山です。「準備をして臨むことで得られる手応え」を、何よりもはっきり教えてくれました。雨や岩場を含む本格的なルートなので、体感難易度は今回の5座の中でも高め。挑む方は、ヘルメットと事前の講習を強くおすすめします。

アクセス

赤岳へは、八ヶ岳の玄関口である美濃戸口(長野県茅野市)が登山の起点になります。行程やコースの詳しいレポートは、別の記事にまとめているので、これから挑戦したい方はそちらもあわせてご覧ください。

第2位:蛭ヶ岳(神奈川県最高峰・標高1673m)——初めての雪山とチェーンスパイク

第2位は、神奈川県の最高峰・蛭ヶ岳です。標高は1673m。ずっと「いつかは登ってみたい」と思っていた山でした。登山を始めて一年が過ぎ、そろそろ挑戦してみたい——そう思えるようになったタイミングで、この蛭ヶ岳を選びました。

登ってみた感想

登ったのは3月。「雪はせいぜい少し残っている程度だろう」と、正直そのくらいの気持ちで山に入りました。ところが実際に登ってみると、想像していた以上にしっかりと雪が残っていたのです。この山で、私は初めてチェーンスパイクを装着しました。少し緊張しながら歩き出すと、雪を踏みしめるキュッキュッという音がとても新鮮で、不思議と楽しく感じられます。足裏から伝わる感覚は、これまで歩いてきた登山道とは明らかに違う世界でした。

進むにつれて空は徐々に曇り、景色は白く閉ざされていきます。山頂に近づく頃には一面まっ白で、期待していた展望は完全にゼロ。それでも、神奈川県で一番高い場所に立っているという事実だけで、心の中がいっぱいになるような達成感がありました。今振り返れば、もう少し時期を選んでも良かったかもしれません。でも、あの時に登ったからこそ雪山を体験できたとも思えます。晴れていればキラキラ輝いて気持ちが明るくなり、曇って真っ白になると同じ雪なのに一気に暗く、少し怖くも感じられる。一つの自然がこんなにも表情を変えるのかと、強く印象に残りました。「一歩先の世界に踏み出した」感覚を、初めて味わせてくれた山です。

アクセス・注意点

蛭ヶ岳は丹沢山塊の奥深くに位置し、神奈川県最高峰でありながら、登山口からの道のりが長いことで知られています。日帰りで目指すなら、早発ち・十分な体力・余裕を持った計画が欠かせません。特に残雪期は、チェーンスパイクなどの滑り止めと、季節に合わせた装備が必要になります。時期の見極めも、この山では大切なポイントです。

第1位:富士山(標高3776m)——「去年登れたから」が一番危ない

第1位は、富士山です。山梨県と静岡県にまたがる、日本で一番高い山。標高は3776m。

なぜ1位なのか

昨年は無事に登ることができました。だからこそ今年も、どこかで「大丈夫だろう」という気持ちがあったのかもしれません。けれど今年の富士山は、去年とはまったく違う顔を見せてきました。台風の影響による風と雨、そして何より、とにかく寒かったことが強く印象に残っています。「同じ山でも条件が違えば、まったく別の山になる」——頭では分かっていたはずのことを、体で思い知らされました。

登ってみた感想

特に忘れられないのが、台風の中での下山です。雨に打たれ、風に煽られ、体はどんどん冷えていく。正直、現実から目をそらしたくなる瞬間が何度もありました。それでも足を止めず、一歩ずつ降りていくしかありません。山では気持ちがどうあれ状況は待ってくれない、進むしかない時間が確かにそこにありました。

今年の富士山は、登頂という結果を与えてはくれませんでした。でも、今振り返ると、登れなかったことよりも「無事に下山できたこと」の方が、ずっと大きな意味を持っていると感じています。富士山は、成功体験を重ねるほど過信しやすくなる山なのかもしれません。だからこそ、何度登っても毎回一から向き合わなければならない。「山を甘く見てはいけないこと」「無事に帰ることの大切さ」を、これ以上ないほど強く残してくれました。登れた年も登れなかった年も含めて、富士山はやはり私にとって特別な山です。

なお、富士山は近年、登山のルールや仕組みが見直されています。挑戦を考えている方は、最新の公式情報を必ず確認してから計画を立ててください。富士山の本当のリスクと安全準備については、別の記事で詳しく書いています。

まとめ:今年の5座が教えてくれたこと(私の結論)

こうして並べてみると、標高も難易度もバラバラですが、5座に共通していたのは「向き合った分だけ、何かを残してくれた」ということでした。

思い通りにいかない場面も多い一年でしたが、その分だけ学ぶことの多い時間でした。山は、向き合った分だけ何かを残してくれる存在だと、あらためて感じています。来年も安全第一で、自分のペースで山と向き合っていけたらと思います。あなたの次の一座が、素晴らしい時間になりますように。

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Comments / 視聴者の声

動画へのコメント

YouTubeに寄せられたコメントより

@443iwasaki2025.12.26

皆さんの2025年の登山を、 コメントでぜひ聞かせてください⛰️😊 チャンネル登録、ハイプしていただけたら嬉しいです!

8
@giant4b102025.12.27

今年もたくさんの山行動画ありがとうございました。今回のもよく纏まったとても良い動画でした。岩崎さんの感じた事、言いたいことが良く伝わります。私も来年に向け楽しみが広がります。来年もよろしく!

1返信 1
@MasaKON-o3p2025.12.27

とてもメッセージ性のあるベスト5で良かったです。単に景色がきれいだった・楽しかったではなく、山での学びを評価につなげるなんて、他の登山系Youtubeにはないクオリティですよ。この一年、すばらしい動画の数々を楽しませていただきました。来年も楽しみにしております!

2返信 1
@かーたん-c6d2025.12.26

自分にとってのベスト1は富士山。 自然の美しさ、厳しさを感じさせてくれた山でした。 また数ヶ月かけてトレーニングしたので達成感も計り知れなかったです。

1返信 1
@hikabon59172025.12.26

良美さんの動画は登山に向き合う考え方が素敵だと思うし、武甲山、ソーラーパネル等の環境問題など考えさせられる事も多くとても好きです。 またBGMもお気に入りだし、ドローン撮影もいいですね♬『それでも登る』をまた使ってくださいね♬ 来年も素敵な動画を楽しみにしています。 今年の自分の山登りは、大好きな尾瀬に2回しか行けなかったのが心残りです(笑)

1返信 1
@Saku_hiking2025.12.26

私のベスト1は谷川岳の一ノ倉沢です。散策レベルですが紅葉が美しかったです 来年も怪我なく続けてくださいませ 来年も楽しみにてます 良いお年を!

返信 1
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