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樹林帯でGPSはどこまで正確?|Suunto Vertical 2で日光白根山(2578m)を1日歩いて実測しました
2026.08.24
山でいちばん怖いのは、道に迷うことそのものより、「自分がいま、どこにいるのか分からなくなること」だと思っています。
分岐に立って、道標を読んで、それでも確信が持てない。あの数十秒がいちばん心細い。心当たりのある方、多いんじゃないでしょうか。
前回、天城山でSuunto Vertical 2を使ったとき、いちばん気になったのがGPSの精度でした。「なんとなく合っている気がする」では、レビューとして弱い。だから今回は、関東以北の最高峰・日光白根山(にっこうしらねさん・2,578m)を朝から夕方まで1日歩いて、数字で確かめてきました。
なお、今回使用したSuunto Vertical 2はSuunto様よりご提供いただいています。ただし以下に書く数字は、すべて当日のログ(Suuntoアプリから書き出した実記録)から出したものです。都合の良い数字だけを選んではいません。
なぜ「樹林帯」で測るのか
先に、いちばん大事なことを書きます。空が開けた稜線でGPSを測っても、たぶん「ほとんどズレません」で終わります。 それだと、何も分かりません。
GPSは、上空の衛星から届く電波で位置を割り出す仕組みです。だから木や岩に電波が遮られたり、跳ね返って回り込んだりする場所ほど、位置が乱れやすくなります。デュアルバンドGPS(2つの周波数を同時に受ける方式)の価値は、条件の悪い場所でしか証明できません。
日光白根山は、その試験場としてちょうどいい山でした。ロープウェイの山頂駅(標高2,000m)から森に入り、しばらくは空がほとんど見えない樹林帯を登り続けます。森林限界を超えると一転して、遮るもののない岩の斜面。同じ1日の中に、いちばん悪い条件といちばん良い条件が両方あるわけです。
出発前にやったのは、3つだけ
山に入る前の準備は、実はこれだけです。
1. 家のWi-Fiで、その山の地形図を時計にダウンロードしておく 2. 歩くルートを引いて、時計に送る 3. Climb guidance(登りの断面図)で、その日の登りを確認する
3つとも、家を出る前に数分で終わります。現地でやろうとすると電波がなくて詰むので、ここだけは前日までに済ませておくのがおすすめです。
分岐で、現在地はどれだけ離れていたか
当日は9時8分に歩き出し、15時39分に戻ってきました。行動時間6時間31分、距離7.47km、積算標高616m。 GPSは4つあるモードのうち、いちばん電池を使うPerformance(マルチバンド)で終日通しました。
歩いたログと、事前に引いた計画ルートを重ねて、「実際の記録が、計画ルートの線からどれだけ離れていたか」を全点で計算しました。
| 計画ルートからの離れ | 実測 | |---|---| | 中央値 | 2.6m | | 10m以内に収まった割合 | 97.5% | | 25m以内に収まった割合 | 100% | | 最大 | 19.2m |
そして、いちばん知りたかった樹林帯の分岐では——
- 分岐①(樹林帯の中):3.7m
- 分岐②(標識の前):7.0m
- 山頂:1.0m
数メートルという差は、登山道の幅とほぼ同じです。地図画面を見て「自分はこの道の上にいる」と判断するには、十分すぎる精度でした。
時計自身が出している推定誤差(EHPE)も見てみると、中央値3m、90%の時間で5m以内、最大でも13m。つかまえていた衛星は中央値31個(最少17個・最多36個)。木の下でも、それだけの数を見失わずに歩けていたことになります。
高度は、あえて校正せずに登りました
もうひとつ試したのが高度です。ふつう、登り始める前に「いま標高2,000m」と時計に教えてあげる(校正する)と、その後の表示が正確になります。今回はそれをやりませんでした。
出発地点の標柱は2,000m。時計の表示は1,998m。この時点で2mの差があります。そのまま直さずに、6時間半歩きました。
- 出発(山頂駅・標柱2,000m)→ 時計 1,998m(−2m)
- 山頂(実標高2,578m)→ 時計 2,583m(+5m)
- 下山後 → +3m
なお、この時計の高度は気圧計だけで出しているわけではなく、FusedAltiという仕組みでGPSの高度と気圧計の値を組み合わせています。だから「朝に校正してから◯時間後にどれだけ狂ったか」という見方は、この時計には当てはまりません。上の数字は"誤差"というより、その時々の"差"として見てもらうのが正確です。
いずれにしても、校正しないまま1日歩いて、山頂で5m。 個人的にはこれで十分だと感じました。
バッテリーは、6時間31分で 99% → 75%
いちばん電池を使うPerformanceモードで、地図もナビゲーションも何度も開いた1日でした。それでログの数字は、
開始 99%(9:08) → 終了 75%(15:39)= 24ポイント
単純に割り戻すと、この使い方で約27時間ぶんの計算になります。日帰りで電池を気にする場面は一度もありませんでした。1泊2日でも、充電器なしで問題なく回せると思います。
(カタログ値は最大65時間ですが、そちらは計測条件が違います。今回は「地図もナビも遠慮なく使った日帰り登山」での実測、という前提で見てください。)
どんな人に向いているか
1日使ってみて、この時計が効くのはこういう人だと感じました。
- 樹林帯の多い山や、道が分かりにくい山を歩く人。今回のような条件でこそ差が出ます
- ルートを事前に引く習慣がある人。3つの下準備をやっておくほど、山の中でやることが減ります
- 日帰り〜1泊で、充電器を持ち歩きたくない人。この減り方なら気にせず使えます
逆に、無理に足さなくていい人もいます。
- スマホを出し入れする手間が、そこまで苦になっていない人
- 歩くのが整備された低山中心で、道に迷う不安がほとんどない人
「時計がないと登れない」わけではありません。 ただ、確認のたびにザックを開けていた時間が消えるので、山の歩き方は確実に変わります。 そこに価値を感じるかどうか、だと思います。
Suunto Vertical 2(GPSウォッチ・デュアルバンドGPS・オフライン地形図対応)
正直に書いておきたいこと
ここまで良い数字が並びましたが、GPSを過信するのはやめたほうがいいと思っています。
電池は切れます。落として壊すこともあります。今回のように条件の悪い場所では、数字が乱れる瞬間だってあります。紙の地図とコンパス、そして地図アプリを入れたスマートフォンは、必ず一緒に持っていく。 その前提の上で、手首の時計は「確認の手間を減らしてくれるもの」として効いてきます。
もうひとつ。この時計だけで道迷いがなくなるわけではありません。 現在地が分かることと、正しい判断ができることは別の話です。今回だって、分岐で立ち止まって、道標を読んで、そのうえで手首を見て確かめる、という順番で歩いていました。
1936年から、同じことを
山頂で、90年前のコンパスに触れる時間がありました。Suuntoは1936年、フィンランドで液体式コンパスを作った会社として始まっています。
やっていることは、90年前と変わっていないのだと思います。「いま、自分がどこにいるのか」を、山の中で教えてくれる道具をつくる。 中身がコンパスからデュアルバンドGPSに変わっただけで、答えようとしている問いは同じです。山頂でそう考えたら、この時計が少し違うものに見えました。
まとめ
樹林帯でGPSはどこまで正確か——日光白根山を1日歩いた実測では、計画ルートからの離れが中央値2.6m、97.5%が10m以内。分岐では3.7mと7.0m、山頂では1.0mでした。高度は校正せずに登って、山頂で+5m。バッテリーは6時間31分で24ポイント。
数字を並べましたが、いちばん伝えたいのは「分岐で手を止める時間が短くなる」という体感のほうです。ザックからスマホを出さなくていい。手首を返すだけでいい。1日に何度も繰り返すその動作が減ることが、山では思っていた以上に効きます。
同じ時計を霧の天城山で使ったときの記事も書いています。条件のまったく違う山での話なので、あわせて読んでいただけたら嬉しいです。
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動画へのコメント
YouTubeに寄せられたコメントより
ご視聴いただきありがとうございます。 チャンネル登録、高評価、ハイプしていただけたらとても嬉しいです😊
プレミア公開でのチャットでご質問いただいた「天気は表示されるのか」なのですが、登山のアクティビティ記録中は表示されませんが、急な天候の変化のアラートはあります。 アクティビティを記録していない時は見れます😊
樹林帯を抜けてパッと青空が広がった瞬間の感動が画面越しにもすごく伝わってきました🌿 分岐ごとのこまめな位置確認や標高チェックなど丁寧な検証で見応えたっぷりでした👏 準備から山頂までのリアルな空気感を届けてくれてありがとうございます✨
映像と音楽がよくて登録しました 日光白根山、いい山ですよね 応援しています
お疲れ様です。😊 今回もとても可愛かったです😊 とても素敵なところですね、一緒に 登山してる気持ちになりました。 スントも性格で頼もしい 相棒ですね❤ また動画楽しみにしてます。 ありがとうございました、楽しかった。
Suuntoきれいで良き😃欲しくなりました 以前ご紹介頂いたG5購入させて頂きました👍 ドローン映像いつも素晴らしく見入ってしまいます💯 また楽しみにしています 宜しくお願いします



