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宝剣岳・木曽駒ヶ岳 1泊2日縦走【中央アルプス】千畳敷カールのドローン絶景と鎖場の岩稜を登山モデルがガイド
2024.09.24
ロープウェイを降りた瞬間、目の前にドーンと広がる氷河の圏谷(けんこく)——千畳敷カール。そして、その頭上に鋭く突き上げる岩の峰が、中央アルプスの名峰宝剣岳(2,931m)です。今回は、この宝剣岳の岩稜に挑み、翌日には中央アルプス最高峰・木曽駒ヶ岳(2,956m)まで足を延ばす、1泊2日の縦走登山に出かけてきました。
この記事は、鎖場の岩稜を含む中級以上のコースを歩いてみたい方に向けた体験レポートです。ゴールデンウィークの頃は積雪が多くて断念し、雪が落ち着くのをずっと待っていた憧れの山。「私のレベルで宝剣岳を登れるだろうか」と不安を抱えながらのスタートでしたが、だからこそ見えた景色は格別でした。ドローンで空から捉えた千畳敷カールの雄大さ、岩場の緊張感、そしてアクセスや難易度、装備の注意点まで、正直にお伝えします。
なお、千畳敷カールから木曽駒ヶ岳だけを目指す「初心者向けのハイキング」も別記事でご紹介しています。この記事は、そこに宝剣岳の岩稜を加えた、少し歯ごたえのある縦走版だとお考えください。
コース概要(1泊2日・中央アルプス縦走)
- 山域:中央アルプス(木曽山脈/長野県)
- 主なピーク:宝剣岳(2,931m)/木曽駒ヶ岳(2,956m・中央アルプス最高峰・日本百名山)
- 1日目:新宿からの高速バス → 駒ヶ岳ロープウェイ → 千畳敷カール(千畳敷駅・約2,612m) → 八丁坂 → 乗越浄土 → 宝剣山荘(泊)→ 宝剣岳をピストン
- 2日目:宝剣山荘 → 中岳 → 木曽駒ヶ岳 → 伊那前岳 → 八丁坂を下山 → 千畳敷駅
- アクセスの核心:駒ヶ岳ロープウェイで、標高2,612mの千畳敷まで一気に上がれる
- 難易度:カール散策や木曽駒ヶ岳への稜線歩きは比較的やさしい一方、宝剣岳は鎖場と切れ落ちた岩場が連続する上級寄りの区間。ヘルメット着用と慎重な行動が必須です
宝剣岳は、荷物を山荘にデポ(一時的に預けること)して空身で往復できるので、体力的な負担は抑えられます。ただし難所は難所。ここが今回の縦走の「核心」でした。
千畳敷カール——歩かずに立てる、天空の別世界
まずは新宿のバスターミナルから、高速バスに揺られて中央アルプスの麓へ。そこから路線バスと駒ヶ岳ロープウェイを乗り継ぐと、あっという間に標高2,612mの千畳敷駅に到着します。ここは日本でいちばん高い場所にあるロープウェイ駅。都会の喧騒から数時間で、雲の上の世界にワープしたような感覚です。
駅を出た第一声は「めっちゃすごい!」でした。この日は「多分100歩も歩いていない」のに、もう目の前が絶景。ふつうの登山なら何時間も登ってようやく出会える景色に、ほとんど歩かずにたどり着けてしまうのが、千畳敷カールの反則級の魅力です。
カール(圏谷)とは、約2万年前の氷河期に、氷河が山肌を削ってできたお椀のような地形のこと。「千畳敷」という名前は、畳を千枚ほど敷けそうなほど広々としていることに由来すると言われています。その名の通り、見渡す限りの雄大な窪地に、夏なら高山植物、この時季なら澄んだ空気と岩肌のコントラストが広がります。動画では、この地形の全体像をドローンの空撮でも捉えました。お椀の底に立っているだけでは分からない、圏谷のスケールと、そこに人が豆粒のように点在する様子は、ぜひ空からの映像で味わってみてください。
八丁坂の急登——ここから先は「登山」の世界
カールの遊歩道が終わる分岐まで来ると、雰囲気が一変します。ここから先は、しっかりとした登山の装備が必要な領域。目の前には、稜線に向かってつづら折りに続く急登「八丁坂(はっちょうざか)」が立ちはだかります。
見上げると、先行する登山者の皆さんが、ジグザグの道を一列になって登っていくのが見えました。雲がかかると空気はひんやりと涼しく、標高の高さを肌で実感します。ゴツゴツとした岩まじりの道を、一歩ずつ高度を上げていく——ここは体力勝負の区間です。息を切らしながらも「綺麗!」と何度も声が出るほど、振り返るたびにカールが小さくなっていく高度感がたまりません。
そして八丁坂を登り切ると、稜線上の平坦地「乗越浄土(のっこしじょうど)」(約2,858m)に飛び出します。コースタイムより少し早く着けたこともあり、達成感もひとしお。ここには宝剣山荘があり、目の前には宝剣岳の岩峰がそびえ、周囲には中央アルプスの峰々が三重四重に連なって見えました。「何度見ても綺麗」と、思わず足を止めてしまう場所です。
核心・宝剣岳の岩稜——鎖場と高度感、そしてブロッケン現象
1日目の宿・宝剣山荘に荷物をデポしたら、いよいよ本日の核心・宝剣岳(2,931m)へ。空身とはいえ、ここからは気を引き締める区間です。ヘルメットをかぶり、鎖を頼りに、切れ落ちた岩場を三点確保でよじ登っていきます。
登り始めはあたりが真っ白なガスの中。視界がないぶん高度感が和らぐ一方で、足元の一手一手に集中しました。岩をつかみ、鎖を握り、ゆっくり体を引き上げていくうちに、少しずつ空が青くなり、雲が晴れていきます。この「霧の中から青空へ」という展開が、宝剣岳のドラマを一段と盛り上げてくれました。
登っている途中には、条件がそろわないと出会えないブロッケン現象にも遭遇しました。ブロッケン現象とは、自分の影が背後の霧や雲に大きく映し出され、その周りに虹色の光の輪(光輪)が浮かび上がる大気光学現象のこと。逆光になる高地や山頂など、視界が開けた場所で特に見られます。自分の影を虹が縁取る幻想的な光景に、緊張していた気持ちがふっとほどけました。
無事に登り切った山頂は、実はとても静かな場所。立派な山頂標識があるわけではなく、岩のてっぺんがそのまま最高点になっています。「あれが山頂かな?」と少し拍子抜けするほど素朴ですが、そのぶん、自分の足と手で岩をよじ登ってたどり着いたという実感が濃く残りました。派手さよりも、登り切った達成感で満たされる——それが宝剣岳の頂でした。
2日目——中岳から中央アルプス最高峰・木曽駒ヶ岳へ
宝剣山荘で一夜を明かした2日目は、いよいよ中央アルプスの最高峰を目指します。乗越浄土から中岳(2,925m)を越え、たおやかな稜線をたどっていくと、日本百名山にも数えられる木曽駒ヶ岳(2,956m)の山頂へ。前日の宝剣岳の岩稜とは対照的に、こちらは広く開けた稜線歩きが中心で、高山の爽快さを存分に味わえる区間です。
木曽駒ヶ岳を踏んだあとは、乗越浄土の東に位置する伊那前岳(2,883m)方面へも足を延ばし、最後は往路と同じ八丁坂を下って千畳敷駅へと戻りました。険しい岩峰から、伸びやかな最高峰の稜線、そして氷河がつくった圏谷まで。中央アルプスの多彩な表情を、たった1泊2日でぎゅっと味わえる、贅沢な行程でした。
アクセス・難易度・装備の注意点
これから宝剣岳・木曽駒ヶ岳を計画する方へ、私が歩いて感じたポイントをまとめます。
- アクセス:新宿から高速バスで麓へ入り、路線バスと駒ヶ岳ロープウェイを乗り継いで千畳敷(2,612m)まで。標高差をロープウェイが一気に稼いでくれるので、公共交通だけで手軽に高山帯へ入れます。人気ルートなので、ロープウェイは時期・時間帯によって混雑します。
- 時季の注意:私たちは、ゴールデンウィーク頃の残雪が落ち着くのを待って計画しました。春先や初夏はカール内にも雪が残り、軽装では危険です。無理をせず、雪の状況を確認してから入るのが安心です。
- 難易度の分け方:カールの散策や木曽駒ヶ岳への稜線歩きは、高山に慣れていない方でも歩きやすい区間です。一方で宝剣岳は鎖場・岩場・高度感がセットになった上級寄りの難所。自信がなければ宝剣岳は無理に踏まず、乗越浄土から木曽駒ヶ岳だけを往復する計画にするのも十分に賢い選択です。
- 装備:宝剣岳に向かうならヘルメットは必須。岩をしっかりつかめるグローブ、滑りにくい登山靴、そして三点確保の基本動作を落ち着いて行えることが前提です。標高が高く、雲がかかると一気に涼しくなるため、防寒着とレインウェアも忘れずに。
- 高山への体の慣れ:一気に2,600m超へ上がるぶん、頭痛や息苦しさなど高山病のサインが出やすい環境です。こまめな水分補給と、ゆっくりめのペース配分を心がけてください。
まとめ:私の結論
千畳敷カールは、ほとんど歩かずに「雲の上の絶景」に立てる、日本でも指折りの贅沢な場所です。そこに宝剣岳の岩稜を組み合わせると、手軽さと本格的な登り応えが同居する、忘れられない1泊2日になりました。
「どこから挑戦すればいい?」と迷うなら、まずは無理をせず、千畳敷カールの散策と木曽駒ヶ岳への稜線歩きから。そのうえで岩場に自信がついてきたら、ヘルメットを持って宝剣岳へ——というステップアップがおすすめです。私自身、「登れるかな」と不安だった宝剣岳を自分の手足で越えられたことが、この山行いちばんの財産になりました。
ロープウェイが叶えてくれる手軽さに甘えつつ、その先の一歩は決して油断せずに。安全第一で、あなたも中央アルプスの絶景と岩稜を体感してみてください。ドローンから見た千畳敷カールの壮大さは、ぜひ動画でお楽しみいただけたらうれしいです。
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Comments / 視聴者の声
動画へのコメント
YouTubeに寄せられたコメントより
また次回も楽しみにしています ありがとう✨✨😌
お疲れ様でした😊 宝剣山はヒェッとなりました🤣 でも楽しそうでなによりです🥳 次回も楽しみにしています😁
宝剣良いですね〜 ブロッケン👀羨ましいでーす 木曽駒編も楽しみにしています
最高ですねwww
must be an accomplishing experience, new friend here from the philippines
お疲れ様です。



