Blog
高尾山を稲荷山コースで日帰り登山|初心者向けのコース選びと山グルメを登山モデルがガイド
2025.03.08
「登山を始めてみたいけれど、まず何から登ればいい?」——そう聞かれたら、私は迷わず高尾山(599m)をおすすめします。都心から電車で約1時間、駅を降りればそこが登山口という抜群のアクセスで、初心者でも安心して一日を楽しめる山だからです。
ただ、いざ調べてみると高尾山には想像以上にたくさんの登山道があって、「どのコースを歩けばいいの?」と最初につまずく方も多いはず。実は私自身も、初めて連れてきてもらったときは、コースが何種類あるのかも知らないまま、ただ前の人についていくだけでした。
そこで今回は、高尾山でいちばん自然を感じられる「稲荷山コース」で山頂を目指し、帰りは4号路から1号路へ下る、私の定番の日帰りプランをご紹介します。1号路〜6号路と稲荷山コースの選び方、実際に歩いた稲荷山コースの様子、日帰りの装備、そして山頂の絶景と山グルメまで。これから高尾山デビューする方の「はじめの一歩」になればうれしいです。
高尾山ってどんな山?——数字で見るすごさ
高尾山は、東京都八王子市にある標高599メートルの山です。都心から電車で約1時間というアクセスの良さから、年間およそ300万人が訪れ、「世界一登山者数の多い山」として知られています。フランスの権威あるミシュランガイドで三つ星を獲得したこともあり、近年は外国人観光客にも大人気のスポットになりました。
その玄関口となるのが、京王線の終点・高尾山口駅。木がふんだんに使われた温かみのある駅舎は、建築家・隈研吾(くま けんご)さんの設計です。改札を出た瞬間から、もう旅は始まっている——そんな気持ちにさせてくれる素敵な駅です。
平日でも駅前は大勢の登山者でにぎわっていて、そのアクセスの良さと人気の高さを実感します。まさに「思い立ったらすぐ行ける」のが、高尾山の最大の魅力です。
コース概要(稲荷山コースで登り、4号路〜1号路で下山)
- 山名・標高:高尾山(東京都八王子市/標高599m)
- 今回の登り:稲荷山コース(登山口はケーブルカー清滝駅のすぐ左手)
- 今回の下り:山頂 → 4号路 → 1号路
- 稲荷山コースのデータ:全長約3.1km/標高差約400m/上り約100分・下り約80分が目安
- アクセス:京王線・高尾山口駅から徒歩すぐ
- 難易度:★☆☆☆☆(初心者向け。ただし稲荷山コースは高尾山の中では歩きごたえのある道)
高尾山は登り方の自由度がとても高い山です。体力に自信がなければケーブルカーやリフトで中腹まで一気に上がることもできますし、しっかり歩きたいなら麓から自分の足で登ることもできます。この日は9時20分、「行ってきます」と自分の足でスタートしました。
初心者が迷いやすい「7つのコース」——私が稲荷山コースを選んだ理由
高尾山には、番号のついた1号路から6号路までの登山道に加えて、今回歩く稲荷山コースがあります。つまり主要なだけで7つ。初めてだと「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうのも当然です。ざっくり整理すると、こんなイメージです。
- 1号路:薬王院へと続くメインの参道。ほぼ全区間が舗装されていて、いちばん歩きやすい定番ルート
- 稲荷山コース:山の南側に広がる尾根を進む、自然たっぷりの登山道。土や木の根の道が続き、高尾山の中では最もハードとされるコース
- その他(2〜6号路):吊り橋や沢沿いなど、それぞれに個性のある道。慣れてきたら歩き比べる楽しみがあります
初めての一座なら、舗装された歩きやすい1号路が王道です。それでも私が今回あえて稲荷山コースを選んだのには理由があります。過去に連れてきてもらったときは、どんなコースがあるのかも知らないまま歩いていたので、「自分の足で、まだ歩いたことのない道を確かめておきたい」と思ったからです。
ガイドと呼ぶのはおこがましいですが、いくつかのコースを実際に歩いてみると、次に誰かを案内するときに「あなたの体力ならこの道がいいよ」と自信を持って言えるようになります。もし体力に少し自信があって、山らしい土の道を味わいたいなら、稲荷山コースはとてもおすすめです。
稲荷山コースを実際に登ってみて
稲荷山コースの登山口は、ケーブルカー清滝駅のすぐ左手にあります。案内板には「最初は急登の階段が続き、後半はなだらか」と書かれていて、まさにその通り。歩き出しからいきなり急な階段が現れ、木の根が複雑に張り出した道が続きます。舗装路の1号路とはまるで別の山のようで、「これぞ登山」という手応えがあります。
コースの名前の由来にもなった、途中の小さなお稲荷さんの祠に手を合わせながら、少しずつ高度を上げていきます。この日はうっすらガスがかかっていましたが、木々の切れ間からは八王子の街並みがのぞきました。
やがてたどり着くのが、標高400メートルの稲荷山展望台。ここまで来ると視界が開けて、いい休憩ポイントになります。この先は、整備された階段や木道の区間も現れて、ぐっと歩きやすくなります。せっかくの木道は、一歩ずつ踏みしめるだけで気持ちがいいものです。
私がこの日ちょっと身構えていたのが、花粉でした。登山道はほとんどが杉の木。春先は覚悟していたのですが、歩いている間はほとんど反応が出ませんでした。「山の中の杉花粉は、街ほどひどくないのかも?」というのが正直な体感です。よく言われるように、花粉は舗装された地面で舞い上がりやすいのかもしれません。とはいえ体質には個人差があるので、心配な方はマスクや薬をしっかり準備してくださいね。
疲れをためない歩き方——腕の重さを味方にするコツ
登りの途中で、私が自然とやっていた「疲れにくい歩き方」を一つ紹介させてください。それは、両腕を体の前で軽く組んで歩くという方法です。
腕をだらんと下げたままだと、実は手の重さがじわじわ効いてきて、だんだん体力を奪われます。腕を組んで肩(三角筋)で吊るすようにすると、これが驚くほど楽になるんです。荷物を運ぶプロである歩荷(ぼっか)さんも同じスタイルで歩いていて、「やっぱりこれが理にかなっているんだ」と妙に納得しました。
私がこの「手の重さ」を痛感したのは、数年前にケガで左腕を吊っていたとき。腕を吊ると本当に体が楽で、「手ってこんなに重かったんだ」と実感しました。疲れてきたら、ぜひ腕を組むスタイルを試してみてください。低山でも効果はしっかり感じられます。
15Lのザックで十分?——高尾山の日帰り装備
この日、私はいつもと違うザックを背負ってきました。普段は容量30Lのモンベルのザックですが、今回は15Lのマムートのザックです。半分の容量ですが、中身はいつもと同じものが収まりました。
具体的には、レインウェア、救急セット、1食分の食事、着替え、ガスバーナー、そして水1リットル。日帰りの高尾山なら、これで十分まかなえます。15Lでも意外としっかり入るので、荷物を厳選すれば身軽に歩けるのを実感しました。
一つだけ注意点を挙げるなら、私が今回使ったコンパクトなザックには腰のベルト(ヒップベルト)がなく、重さがすべて肩にかかること。荷物が重くなってくると、後半は肩が少し痛くなりました。日帰りとはいえ全長3.1kmをしっかり歩くので、「軽い山だから何でもいい」と油断せず、荷物の重さを分散してくれる背負い心地のザックを選ぶと、体がぐっと楽になります。
山頂の絶景と山グルメ、そして4号路〜1号路の下山
登り切った先、標高599メートルの山頂には高尾山ビジターセンターがあり、天気が良ければ都心のビル群や富士山まで見渡せます。「これだけ暖かければ、山頂でカレーを食べられそうだね」なんて話しながら登るのも、高尾山ならではの楽しみ方。山頂やその周辺には食事処が充実していて、体を動かしたあとのごはんは格別です。
高尾山といえば、やっぱり山グルメも外せません。参道の名物とろろそばや、あんこの入った天狗焼き、お団子など、下山後まで含めて食べ歩きが楽しめるのも、この山が愛される理由です。歩いて、景色を眺めて、おいしいものを味わう。この欲張りな一日を気軽に叶えられるのが高尾山のすごいところだと思います。
下山は、山頂から計画どおり4号路へ。4号路は、みずみずしい森の中を進む道で、途中には吊り橋「みやま橋」がかかっていて、登りとはまた違う表情を楽しめます。そこから1号路に合流すると、山岳信仰の中心・高尾山薬王院の荘厳な境内を抜けて麓へと下っていきます。もし足に疲れが残っていても、1号路の途中からはケーブルカーやリフトに乗って一気に下りられるので、下山の負担を減らせるのも安心なポイントです。
高尾山を安全に楽しむための注意点
気軽に登れる高尾山ですが、快適に楽しむためのポイントをいくつか。
- 平日でも人が多い:世界一の登山者数を誇る山だけあって、休日はもちろん平日でもにぎわいます。すれ違いや譲り合いを意識して、ゆとりを持って歩きましょう
- 稲荷山コースは歩きごたえあり:舗装された1号路のイメージで臨むと、稲荷山コースの土や木の根の道に驚くかもしれません。滑りにくい靴で、無理のないペースで
- 花粉の時期は対策を:登山道は杉が中心。春先はマスクや常備薬を準備しておくと安心です
- 早めのスタート・早めの下山:時間に余裕を持って行動すれば、山頂でのんびりごはんを食べたり、下山後のグルメを味わったりする楽しみも増えます
- 軽い山でも装備は基本を:レインウェア・行動食・水は忘れずに。背負い心地のよいザックが、快適さを大きく左右します
まとめ:私の結論
高尾山は、「登山って気軽に始めていいんだ」と思わせてくれる、懐の深い山です。舗装された1号路でのんびり登るのもよし、今回のように稲荷山コースで自然の中の登山を味わうのもよし。同じ山なのに、選ぶコースによって別の一日になるのが本当に面白いところです。
初めての一座なら1号路、少し歩きごたえがほしくなったら稲荷山コース——というふうに、自分の成長に合わせて何度でも通えるのも、高尾山ならではの魅力だと思います。抜群のアクセス、変化に富んだコース、そして絶景と山グルメ。これだけそろって、電車ですぐに行けてしまうのですから、登山デビューにこれ以上ぴったりの山はありません。
次の休日、まずは高尾山から。あなたの「はじめの一歩」が、最高の一日になりますように。
関連記事
深夜2時の高尾山ナイトハイク記録|1号路でご来光へ・帰りは蛇滝コース
電車で行ける関東の絶景低山BEST5|初心者の週末登山におすすめのコースをモデルが解説
雲取山 鴨沢ルート日帰り登山ガイド|東京都最高峰の紅葉と石尾根を登山モデルが解説
宝剣岳・木曽駒ヶ岳 1泊2日縦走【中央アルプス】千畳敷カールのドローン絶景と鎖場の岩稜を登山モデルがガイド
Comments / 視聴者の声
動画へのコメント
YouTubeに寄せられたコメントより
アドバイスやコメントいただけたら励みになります😊よろしくお願いします
参加できてよかった楽しかったです☺️
ダブルパンチでしたね 😮 山頂カレー飯再挑戦期待してます お疲れさまでした 😀
いつも楽しく拝見しています。 ガス缶あるあるかもしれませんね。 自分もありました…。
蕎麦美味そう😋
岩崎さん、お疲れ山でした♪♪ ハプニングも良い思い出ですね、怪我や大事なもの無くしたわけじゃないし ドンマイドンマイ😊 高尾山は体力維持のトレーニングやリハビリ登山にも良さそうですね♪♪



